戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語⑬ -同部屋の仲間たち-

着校日、対番にこれから生活する部屋に連れていかれた。

部屋には部屋長という4学年が腕を組み仁王立ちで待ち構えていた。

「部屋長のKだ。ヨロシク」と。

部屋長のKさんは、私と同郷で応援団リーダー部の副団頭だった。

真っ黒に日焼けした顔と自信満々な話し方に神々しささえ感じた。

部屋長は、私たち3名の1学年に対し、監督者としての責任があった。

この部屋長のキャラクターによって私たち下級生の生活は大きく変わってくることさえある。

ゆるい部屋長であれば少なくとも部屋内における生活はイージーなものになるからだ。

部屋には私より少し早く着校していたI学生が椅子に座っていた。

I学生は静岡県出身で母子家庭だった。

彼はいきなり私に向かって「よろしく! 俺のこと『かずや』と呼んでくれ」とあいさつしてきた。

初対面でいきなり「かずやと呼んでくれ」って…と思ったが、同部屋の仲間としてすぐに打ち解けることができた。

I学生とは、このあと同じ部活、同じ航空自衛隊に進むことになり、腐れ縁の仲となる。

しばらくしてE学生も到着した。

E学生はおっとりした感じの好青年だった。

彼らにとって私の第一印象はどうだったのだろうか?

兎にも角にも、K部屋長と1学年3名の共同生活が始まった。