戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第58 -たけやの思う壺-

秋となり、4年最後の関東大学アメフトリーグ戦が始まった。

監督は、航空自衛官で防衛学の教官でもあるK1佐に替わっていた。

ある日、試合翌日に授業があった。

私は海軍戦略のその授業に全く興味は無かったけれど、自分の部活の監督が教官であることから、一応、居眠りしないで起きていた。

他の学生はガッツリ居眠りしていた。

突然、その監督が「○○学生を見てみろ。昨日試合があったにも関わらず、ちやんと起きて授業を聞いているぞ!」と私の名前を叫んだのだった。

その時、私はものすごく照れくさかった。

最終的に軍事戦略の授業は良い成績だったので得をしたが。

東京で試合があると、帰りに上野駅前の「たけや」というレストランに皆でよく行った。

そこはしゃぶしゃぶ食べ放題の店で、しゃぶしゃぶからスイーツまで色々なものを食べることができた。

体育会の男子たちが防具が入った大きなバッグを店の前に放り出すと、しゃぶしゃぶに食らいつく姿は圧巻だった。

しかし、単価の高いしゃぶしゃぶに飽きて、スイーツなとに手を出すと、お腹が膨れ、二度としゃぶしゃぶに戻ってこれなくなるのが常だった。

私たちはこれを「たけやの思う壺」と騒ぎあった。

週末、仲間たちとの楽しいひとときだった。