飛行隊に到着して1カ月くらいすると、私はF-4改機種転換課程に入校するためは宮崎県新田原基地に赴いた。
皆、所属は小松、那覇、新田原基地の飛行隊だが、ここでF-4改戦闘機の操縦の基礎を学ぶ。
だから新田原基地の301飛行隊を「マザースコードロン(親飛行隊)」と呼ぶ。
入校者は10人位だったか。
皆、知った顔ばかりであった。
初めてF-4改のコックピットに座った時の印象が重要だった。
その印象いかんによつて今後のフライト人生が楽しくなるかどうか決まるからだ。
私はそれを「コックピット占い」と名付けていた。
練習機と比べてF-4改のコックピットは広く感じた。
また練習機とは比べ物にならないほど多くの計器類やスイッチが並んでいた。
多少古い感はしたが、相性としてはまずまずだったように思った。
これからずっと搭乗する飛行機なので、無理に相性がいいと思い込んでいるような所もあったかもしれない。
本物の戦闘機なのでシステムはやや複雑だが、基本的な操縦方法は変わらない。
兎にも角にも、戦闘機を操縦するための猛勉強がまた始まった。
しかし、休日は南国宮崎を楽しむ余裕があった。