戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第123 -飛行隊若手パロットの精進-

F-4改機種転換課程を終え、小松基地に戻った私は、飛行隊の最も若手パイロットとしての生活が始まった。

せっかく、F-4改戦闘機の操縦を学んできたのだが、これから数年はF-4改の後席要員として搭乗する。

その間、操縦かんを握ることは無く、専らレーダー操作を行って前席の先輩パイロットの支援を行う。

後席パイロットは、常に前席パイロットの考えていることを推察して、先行的にサポートや助言をしなくてはならない。

前席パイロットの痒いところに手が届くように、常に気を使わなくてはならない。

しかし、私は、人に気を遣うことが大の苦手だった。

後席がレーダーで相手機を見つけることができないと、前席パイロットは、「目くら」同然となる。

私のレーダー操作が悪いために前席パイロットが相手機を見つけることができず、何度も前席パイロットを「ハメた」ことがある。

前席パイロットからものすごく叱られるが、何よりも前席パイロットから信頼されなくなるのがつらかった。

当面は、後席パイロットして対領空侵犯措置任務に就くことができるようになるのを目標とする。

まだまだ精進する日々が続く。