戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第124 -幹部独身寮-

基地内の幹部独身寮はオンボロだったが、仲間は沢山いて楽しく過ごした。

寮の1階には小松基地で整備幹部をしているアメフト部同期のM2尉が居住していた。

毎週、金曜日になるとM2尉の部屋で宴会が始まった。

独身寮に居住する若い幹部自衛官たちが集まり、それぞれ持ち寄った料理などを食べながら盛り上がった。

今までパイロット職種の者たちだけとしかつながりが無かった私にとって、補給幹部などパイロット以外の職種の若い幹部自衛官と知り合いになる絶好の機会だった。

寮がオンボロなだけあって、規律も有って無いようなものだった。

ある若手幹部が「今から女性自衛官を呼びましょう」と提案した。

その若手幹部が司令部の基地司令の副官付をしている若い女自衛官と知り合いだというのである。

その若手幹部が基地の内線電話で女性自衛官寮に電話をして呼び出した。

10分もたたないうちに一人の若い女自衛官がジャージ姿で寮の入り口前に現れたのを覚えている。

その後、本当に寮に入り宴会に参加したかどうかはよく覚えていないけれど、オンボロの幹部独身寮でも、案外楽しく過ごしたのだった。