CS課程も半年が経過して残すところあと半年となった。
相変わらず課題、レポート提出の連続波状攻撃を喰らっていたが、その生活にも慣れてきたようだった。
11月に入ると、3月にCS課程修了後の異動先の1次調整が始まる。
私たち学生たちはそのことが気になり始めていた。
その時、思いがけない事を耳にした。
今年のCS学生修了者から、米空軍士官学校の教官に派遣される者がいるらしいとの情報だった。
特に私のような「1年生」の防大卒の戦闘機パイロットから選ばれる可能性が高いというのだ。
私は英語はまるっきりダメで、同期にパイロットの米留経験がある者もいたので、自分には関係ない事と思っていた。
しかし、いざ異動1次調整が始まると、どうやら消去法で私が派遣される可能性が高いことが判明した。
米留経験がある同期が、航空幕僚監部の補任課の担当に「なぜ自分が選ばれなかったのか?」と休憩室で必死に電話している姿を目にした。
代々、空軍士官学校の教官には、将来の航空自衛隊を担う優秀な方が派遣されていた。
私は、選ばれなかった同期には悪いが、自分が特別な扱いを受けていると、優越感を覚えた。
これまで努力してきて本当に良かったと率直に思った。
本当にこれが良かったのか?
都にも角にも、以後、英語の猛勉強が始まった。