戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第247 -役員面接-

高層ビルの綺麗な会議室で最終役員面接が行われた。

面接ではなぜ自衛隊を辞めたのか?という点について多く聞かれた。

私は、理由を述べるとともに、最後に、航空自衛官はやはり空の仕事でなければ務まらないことを自衛隊を辞めた後痛感させられた。今は自衛隊を辞めたことを後悔していると、正直に自分の気持ちを述べた。

最終面接から数週間後、なかなか面接の結果の連絡が来ないため、こちらから担当してくれた人事の方にメールをしてみた。

夜遅く保育園の仕事帰り、もうすぐ自宅に着くというタイミングで携帯のメール着信のアラームが鳴った。

暗い夜道で歩きながらメールを確認した。

赤い翼の人事部からのメールだった。

「これから仲間として一緒に働きましょう」と書いてあった。

涙が溢れてきた。

大人気なく私は、おいおいと嗚咽を漏らしながら泣きながら歩いていた。

「お母さん、やったよ」

自宅近くのコンビニ近くまできたが、明るい照明のコンビニの灯りが滲んで花火のように見えた。

辛い期間を乗り越えてついに私は空の仕事に帰ってくることが出来たのだった。

この時の喜びは一生忘れないだろう。

私は人生の賭けに勝ったのだと思った。