戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

防衛大学校物語 第70 -やぶれかぶれ-

ランキング参加中小説 novels GWが終わり幹部候補生学校に戻ってきた。 失恋して気持ちが落ち込んだままだった。 すぐに拳銃射撃訓練が計画されていた。 衝動的に変なことをするのではないかと、ちょっと怖くなった。 女を忘れるには新しい女を作るのが一番…

防衛大学校物語 第69 -北の国から 失恋-

ランキング参加中小説 novels ゴールデンウイークは故郷に戻った。 高校同級生で防大卒業ダンスパーティのパートナーであったYちゃんに会うためである。 楽しく喫茶店で食事でもしようかと思ったが、どうやら雲息があやしい。 遠距離に耐えられないと…。 彼…

防衛大学校物語 第68 -だまれぇ、ジジィー-

ランキング参加中小説 novels 幹部候補生課程は防大と違い課業外は何をしても自由である。 平日から私服に着替え奈良の街に飲みに行くこともできる。 夜の点呼までに帰隊すればよい。 部屋は4人部屋で、部内選抜のやや年上の候補生と50歳くらいの年配の候補…

防衛大学校物語 第67 -奈良幹部候補生学校-

ランキング参加中小説 novels 4月から6カ月間、奈良にある航空自衛隊 幹部候補生学校に入校する。 と言っても、同期は知った顔ばかりで、違いと言えば皆、航空自衛隊の制服を身に纏っているくらいだ。 また、防大卒以外には、一般大卒や少し年齢層が高い部内…

防衛大学校物語 第66 -生まれ変わっても防大!?-

ランキング参加中小説 novels ここまで防大を志望した高校生時代から防大入学後の4年間について思い出を振り返ってきた。 一言でいえば防大に進学して良かったと思う。 普通の大学生では経験できないような濃密な4年間を体験することができた。 何度も上級…

防衛大学校物語 第65 -帽子投げの本心-

ランキング参加中小説 novels 卒業式には両親と姉が飛行機に乗って一家総出でやってきた。 父母にとっては一年生の入校式以来である。 入校式の帰りに私が可哀そうで涙した母は、さぞ誇らしい気持ちだったに違いない。 卒業式は海部総理を迎え盛大に行われた…

防衛大学校物語 第64 -卒業式前夜-

ランキング参加中小説 novels 4年の最後は2人の一年生の部屋長になった。 初めて防大に着校して対面した応援団の自分の部屋長のことを想うセンチメンタルな部分は私にはなかった。 ただ、卒業式の前夜、1年生の部屋っこと3人で寝室で酒を酌み交わすことに…

防衛大学校物語 第63 -魅惑の卒業ダンスパーティー-

ランキング参加中小説 novels 高校同級生のYちゃんとは卒業ダンスパーティーに向けて週に数回、電話で連絡を取っていた。 というか、毎回10分も満たない電話での会話が待ち遠しくてたまらなかった。 夜の自習中休みに外の電話BOX目掛けてダッシュする。 電話…

防衛大学校物語 第62 -過去最多の任官拒否者数-

ランキング参加中小説 novels まだバブル経済が続いていて大学生の就職が有利な時だった。 主将、副将をはじめアメフト部同期の三分の一が任官拒否する異常事態となった。 アメフト部監督のK1佐はさぞ説得に躍起になっていたに違いない。 任官拒否を考えて…

防衛大学校物語 第61 -楽勝卒業研究-

ランキング参加中小説 novels 一応、理工学部機械工学科専攻である。 2年時にはプレス機で小さな柵を作ってそれを舎前の花壇に設置したり、鋳型で用途不明の万力を作ったりした。 工業高校かよ、って思った。 4年になると卒業研究がある。 先輩の紹介で簡…

防衛大学校物語 第60 -決戦のボウルゲーム-

ランキング参加中小説 novels アメフトのリーグ戦が佳境を迎えていた。 次の試合は、ともに1敗どうしの青山学院大と事実上の決勝戦となった。 しかも、その試合は招待試合「善光寺ボウル」として長野市で開催されることになった。 大学アメフト不毛の地で関…

防衛大学校物語 第59 -狂気の開校祭前夜祭-

ランキング参加中小説 novels 毎年11月に開校祭が開催され、多くの一般の人たちが防大を訪れる。 前日の前夜祭が面白い。 夜に体育館で各大隊ごと趣向をこらした歌唱や演劇、コントなどが披露される。 さながら、戦地における慰問公演の様相を呈し、盛り上が…

防衛大学校物語 第58 -たけやの思う壺-

ランキング参加中小説 novels 秋となり、4年最後の関東大学アメフトリーグ戦が始まった。 監督は、航空自衛官で防衛学の教官でもあるK1佐に替わっていた。 ある日、試合翌日に授業があった。 私は海軍戦略のその授業に全く興味は無かったけれど、自分の部活…

防衛大学校物語 第57 -三角関係-

ランキング参加中小説 novels 防大生としての最後の夏休みを実家で過ごした。 いったいどういう経緯でそうなったのかよく覚えていない。 私は、高校同級生の男性I君と女性Yちゃんと3人で市内の公園で遊んでいた。 I君は、現役で東京の有名私立大学に合格し…

防衛大学校物語 第56 -将来ある身の防大生-

ランキング参加中小説 novels 防大生として最後の夏休みを迎えた。 アメフト部の同期生4人で北海道旅行を計画した。 M学生の実家が千歳空港の近くだったので、まずそこで 実家の車を借りた。 夏の北海道のドライブは最高だった。 本日の宿泊地は私の実家だっ…

防衛大学校物語 第55 -目指せ!沖縄研修-

ランキング参加中小説 novels 4年の夏季定期訓練は、前半がレーダーサイト部隊研修、後半が実機に搭乗して行うパイロットの操縦適性検査だった。 しかし、学業および訓練成績優秀者のみは、前半は部隊研修ではなく、特別に沖縄研修に選ばれる。 私は4年に…

防衛大学校物語 第54 -酔いどれ学生長-

ランキング参加中小説 novels 学業および訓練成績の優秀な者は、「学生長」という役職に指名される。 「学生隊学生長」は全学生約1600名のトップであり、生徒会長のようなものであった。 その下に大隊学生長、中隊学生長、小隊学生長がある。 中隊学生長以上…

防衛大学校物語 第53 -英語に興味なし-

ランキング参加中小説 novels 1学年時に基礎教育として英語の授業があった。 教官は、横須賀の米海軍将校の奥様だった。 しかし、私はもともと英語が好きではなく、授業中よく居眠りをしいていた。 米海軍将校の奥様は、教室の中を歩き回り、居眠りをしてい…

防衛大学校物語 第52 -自動車学校で吠える-

ランキング参加中小説 novels 千歳基地での部隊実習期間中、私は土日になると電車で実家に帰省していた。 そして地元の自動車学校に通っていた。 部隊実習が終わると2週間の夏季休暇となるので、そのまま地元の自動車学校に通えることになる。 教習は順調に…

防衛大学校物語 第51 -待ち構えるトニー先輩-

ランキング参加中小説 novels 千歳基地での部隊研修は実際の現場の中に身を置いて行うためとても新鮮だった。 戦闘機のスクランブル発進する待機所でパイロットたちと一夜を過ごした。 スクランブル発進した戦闘機が天候悪化のため千歳飛行場に帰投できない…

防衛大学校物語 第50 -地元での部隊実習訓練-

ランキング参加中小説 novels 3年の夏季定期訓練は、航空自衛隊基地での部隊実習であった。 私は希望が叶い、航空自衛隊千歳基地で1カ月間、研修を受けることになった。 研修の間は、幹部ではなく空曹士の部屋で一緒に寝泊りする。 将来の幹部自衛官として…

防衛大学校物語 第49 -こつこつ貯めて-

ランキング参加中小説 novels 3年の春、「人間」なった。 もう、上級生の目を気にしてビクビク生活する必要が無いことを知る。 勉強は落第しない程度に、学生舎生活は適当に。 あとはアメフト部だけに全努力を注いだ。 ところで春と秋に総額2万円くらいで…

防衛大学校物語 第48 -ダンパ狂い-

ランキング参加中小説 novels 関東リーグ戦が終わり、シーズンオフの休日にアメフト部の紅白戦が行われることになった。 私はどうしてもその日の練習に参加したくない理由があった。 午後から横浜関内のディスコで中隊主催のダンスパーティ、通称「ダンパ」…

防衛大学校物語 第47 -2学年は奴隷-

ランキング参加中小説 novels 防大でのヒエラルキーを表す言葉で「1年家畜、2年奴隷、3年人間、4年神様」というのがある。 だから2年になってが安心はできない。 頻度は減ったものの相変わらず上級生にシバかれる事もあったためビクビクしながら生活し…

防衛大学校物語 第46 -戦闘訓練とカマキリの卵- 

ランキング参加中小説 novels 防大の裏手に小さな訓練場があり、そこで攻防に分かれて戦闘訓練が行われていた。 ヘルメット被り、戦闘服を着て、顔を迷彩色に塗り、草木を身に着け偽装する。 攻める側は、数百メートルはなれたところからトーチカ目指して小…

防衛大学校物語 第45 -看護学校の女学生-

ランキング参加中小説 novels 女子大生と付き合っている防大生は少ない。 横須賀、追浜、久里浜と、周辺に3つの看護学校があり、その3つの看護学校の女学生と付き合う防大生が多かった。 言い方は悪いが、防大生とお付き合いしてくれるのは「ヨコ看、ハマ…

防衛大学校物語 第44 -孤軍奮闘する留学生-

ランキング参加中小説 novels タイ王国からの留学生は、タイ陸海空軍の士官学校を卒業してから来日する。 1年間の日本語教育を受けた後、防大1年生として入校し、4年間小原台で教育を受ける。 このため年齢的には23歳くらいだが、防大1年時には他の日本…

防衛大学校物語 第43 -東大生のスゴイと残念-

ランキング参加中小説 novels アメフト部では2年からレギュラーとして試合に出場した。 春には東大、京大、警視庁と定期戦が行われた。 当時甲子園ボウルで優勝した京大との定期戦のため京都に遠征した。 試合内容はよく覚えていないが、餃子の王将ででこん…

防衛大学校物語 第42 -恋のインターセプト事件-

ランキング参加中小説 novels 5月にアメフト部新入生歓迎ダンスパーティー、通称「ダンパ」が開催された。 ダンパは新入生の勧誘の目玉だった。 晴れて2学年となった私は私服に着替え、ダンパ会場となる横浜・関内にあるディスコに向かった。 当時、防大生…

防衛大学校物語 第41 -最後の登竜門 カッター訓練-

ランキング参加中小説 novels 2学年に進級した。 まだパイロットになれるかどうかは分からないが航空要員になることはできた。。 2学年にになると最後の登竜門である「カッター訓練」が行われれる。 4月末に中隊対抗のカッター(ボートのようなもの)競技…