戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

防衛大学校物語 第98 -韓国軍から怒られる-

ランキング参加中小説 novels 訓練空域は、北九州の北方にあった。 晴れた日にはすぐ近くに韓国が見える。 ある日、ソロの4機で訓練空域に向かった。 それぞれソロで課目を行い、そろそろ帰る時間になった時、突然、誰かが国際緊急周波数で呼ばれた。 よく…

防衛大学校物語 第97 -涙の突き-

ランキング参加中小説 novels 私の所属する飛行隊にもヤ○ザ映画に出てくるような教官がたくさんいた。 特にN1尉は、激しい口撃と暴力的な態度で学生たちに恐れられていた。 N1尉の担当学生となったH3尉は格好の標的となった。 H3尉は、防大文系出身で初…

防衛大学校物語 第96 -正座-

ランキング参加中小説 novels 私たちコースBよりも数カ月先んじて同期のコースAが飛行訓練を行っていた。 ある日、コースAのK3尉が小倉に飲みに行って、女性を巡り店にいた客の若い男と喧嘩となり、刺されるといった事件が起こった。 その男は高卒の若い自…

防衛大学校物語 第95 -初ジェットで着陸をキメる-

ランキング参加中小説 novels 静浜基地を発った私たち10名は、第二初級操縦課程のため、福岡県芦屋基地にやってきた。 最寄り駅に到着すると迎えの自衛隊バスに乗り込み、そのまま基地へ向かう。 その途中、上空をジェット練習機が飛行しているのが見えた。 …

防衛大学校物語 第94 -第一初級操縦課程卒業!-

ランキング参加中小説 novels 訓練空域での単独飛行(エリア・ソロ)がある。 初めてのエリア・ソロの時、困ったことがあった。 それは、最後の課目で「スピン」をやるか、やらないかであった。 スピンとは、文字どおり航空機を失速させ、きりもみ状態になり…

防衛大学校物語 第93 -パイロットの卵たちのたまり場-

ランキング参加中小説 novels 基地から最寄りのJR藤枝駅前の飲食ビルの2階にピアノBARがあった。 私たちコースB(ブラボー)は、週末になるとよくそのピアノBARに集った。 お目当ては、バイトとしてカウンターで働いていたA嬢だった。 私たちより少しだけ年…

防衛大学校物語 第92 -英語の歌-

ランキング参加中小説 novels 無事10人全員がソロフライトに出た。 次は訓練エリアでのフライトに進む。 相変わらず隊長のT2佐は狂気として学生から恐れられていた。 翌日にT隊長と飛ぶことになっていた私たち学生は、一睡も出来ず、ただ、明日の天気が悪く…

防衛大学校物語 第91 -初ソロフライト-

ランキング参加中小説 novels 静浜基地で約半年間、飛行訓練を受けることになり、私は東京立川での訓練時に合コンで知り合ったMちゃんと月2回くらいのペースで会った。 最初のデートは、合コン時に約束したディズニーランドだった。 まだ短大生だった彼女は…

防衛大学校物語 第83 -沖縄美人-

ランキング参加中小説 novels 幹部候補生私卒業した私たちは、半年後に幹部自衛官に任命される。 その前の「隊付教育」として、1か月半、全国の部隊に分かれて研修を行う。 私は、同期のF候補生とともに那覇基地の飛行隊で隊付教育を実施することになった。 …

防衛大学校物語 第90 -着陸の秘訣はショッピングセンターにあり-

ランキング参加中小説 novels 飛行訓練が始まって約10回目くらいで単独飛行(ソロフライト)に出なくてはならない。 着陸で難しいのは、接地する直前に行う航空機の「返し操作」である。 接地する3mくらい前になると、周囲の地面の浮き上がりを感じながら操…

防衛大学校物語 第89 -狂気の教官-

ランキング参加中小説 novels 4月、私たちは3等空尉に昇進した。 階級なんでどうでもよかった。 これから厳しい飛行訓練を乗り越えて、一人前のパイロットを目指さなければならない。 地上での座学教育が終わり、いよいよ実機での飛行訓練が始まった。 私の…

防衛大学校物語 第88 -パイロットの卵-

ランキング参加中小説 novels コースBの私たちは防府北基地と静岡県にある静浜基地に分かれて飛行教育を受ける。 もしこのまま防府北基地となれば、東京立川での訓練中の合コンで知り合ったMちゃんとはもう会うことはないと私は腹を括っていた。 私は静浜基…

防衛大学校物語 第87 -運命の出会い-

ランキング参加中小説 novels 習志野第一空挺団での落下傘降下訓練を終えた私たちは、そのまま立川にある航空医学実験隊に移動して訓練を受けることになった。 立川での訓練は航空生理やパイロットの錯覚などに関する事項であり、空挺降下訓練に比べてイージ…

防衛大学校物語 第86 -落下傘降下訓練-

ランキング参加中小説 novels 私たちコース「B」の20名は千葉県習志野市にある陸上自衛隊 第一空挺団にやってきた。 航空機から緊急脱出した時に備え、今日から2週間、ここで落下傘降下の訓練を受ける。 訓練の最終目標は、70mの塔から落下傘を開いた状態で…

防衛大学校物語 第85 -地上準備課程開始!!!-

ランキング参加中小説 novels 防大卒のパイロット要員はA(アルファー)とB(ブラボー)の二つのクラスに分かれる。 最初にAが第1初級操縦課程に入り、その2か月後にBが操縦課程に入る。 Bは同期たちから操縦課程でのノウハウを教えてもらえるメリットがあ…

防衛大学校物語 第84 -パイロット学生の第一歩-

ランキング参加中小説 novels 隊付教育を終えた私たち操縦要員40名は操縦教育が行われる山口県防府北基地に向かった。 40名の中に一緒に商社マンになることを夢見たK候補生もいた。 妊娠した彼女と入籍し、単身で飛行教育を受けることとなった、 最寄のJR防…

防衛大学校物語 第82 -別れと旅立ち-

ランキング参加中小説 novels 幹部候補生学校の卒業が間近に迫ったある休日。 私は基地に調理実習に来ていて、この時に親しくなったMちゃんと京都で会った。 私たちは繁華街の四条通りを東に向けて肩を並べて歩いていた。 歩きながら話をしていると、Mちゃん…

防衛大学校物語 第81 -パイロット要員になれるか?-

ランキング参加中小説 novels 9月に入りいよいよ幹部候補生課程の終わりが近付いてきた。 課程修了を目の前にしてビッグイベントが待ち構えていた。 それは職種決定である。 思えば、高校生の頃に航空自衛隊の戦闘機パイロットのパンフレットを見て、パイロ…

防衛大学校物語 第80 -パイロット選抜の身体検査-

ランキング参加中小説 novels パイロット要員を選抜するための航空身体検査が医務室で行わた。 視力はもちろん、心電図や脳波など様々な部位について検査が行われる。 検査項目の一つに「1分間の息止め」というのがある。 海上に不時着しても海の中で1分ぐ…

防衛大学校物語 第79 -言ってはいけない一言-

ランキング参加中小説 novels 幹部候補生学校に入校してから仲良くなった同期にT候補生がいた。 T君は、その容姿がドラえもんのジャイアンによく似ているので、皆から「ジャイ」と呼ばれていた。 この男、凄い特技を持っていた。 それは、凄腕のナンパ師だっ…

防衛大学校物語 第78 -空砲をぶっ放す-

ランキング参加中小説 novels 大阪の南にある演習場で行われた一夜二日の戦闘訓練の時だった。 攻防二手に分かれて夜もぶっ続けで訓練が行われる。 攻める方だった私は、夜間、仲間らと迂回して敵陣地を攻める計画を立てた。 敵陣を見下ろす丘に近づいたとこ…

防衛大学校物語 第77 -恥ずかしい まわし姿-

ランキング参加中小説 novels 私は、奈良基地での調理実習で知り合ったMちゃんと休日になると2人で観光地やレジャー施設を巡って楽しんだ。 Mちゃんは、長身に長い髪を垂らしていて大人びた容姿だった。 そのMちゃんが20歳のあどけない顔で鹿にせんべいをあ…

防衛大学校物語 第76 -ビンタの区隊長-

ランキング参加中小説 novels 防大出身のM区隊長はとにかく指導と称してビンタをする人だった。 大勢の同期がM区隊長から強烈なビンタを食らった。 全体MTGの場で犬猿の仲の二人が小競り合いを始めた時に一発。 沖縄研修で、翌朝、寝坊して集合時間に遅れて…

防衛大学校物語 第75 -60km行軍と戦闘訓練-

ランキング参加中小説 novels 防大生の時とはうって変わって、私は学科教育や訓練で良い成績をとるため努力した。 学科の試験前には予想問題を作成するなど、他の誰よりも準備して臨んだ。 駅伝走やラグビー大会など区隊対抗の競技会においては、積極的にチ…

防衛大学校物語 第74 -調理実習の女子大生-

ランキング参加中小説 novels 毎年、幹部候補生学校では調理実習の短大生を受け入れている。 昼食のため食堂に行くと、調理場の方にいつもと白衣をまとったいつもとは違う若い女の子たちがいた。 こうなったらもう気が気でない。 候補生たちは、食事を食べつ…

防衛大学校物語 第73 -妊娠-

ランキング参加中小説 novels 意気投合して一緒に就活をしていたK候補生の様子がおかしい。 理由を尋ねると、付き合っていた地元の彼女が妊娠したのだという。 就活どころの話ではない。 K君が憧れていたパイロットの道も厳しい状況だった。 今では、結婚し…

防衛大学校物語 第72 -宴会でスッポンポン-

ランキング参加中小説 novels 一度自衛隊を辞めたい思うと、もう何も怖いものは無かった。 やぶれかぶれの状態だった。 ある日、幹部候補生学校内にある屋外BBQ場で団結会と称する大宴会が開催された。 防大卒課程だけではく一般大卒課程なども参加したその…

防衛大学校物語 第71 -憧れの商社マン-

ランキング参加中小説 novels 防大生の時は一度も任官拒否をしようと思わなかった。 バブルという時代がそうさせたのか?自衛官でいることが馬鹿らしく思うようになっていた。 K君とは防大3年時、共通の友人を介して友達になった。 渋谷で行われた合コンに一…