司令部勤務2年目の出来事だった。
イラク支援任務として、カタールにある米軍基地で半年間勤務する任務が回ってきた。
このための事前集合教育が東京で開催されることになり、九州から単身上京した。
しかし、数日前の夜に突然、胃の辺りが痛み出したのだ。
上京して一緒にカタールで勤務するメンバーらと事前教育を受けていたが、どうも胃のあたりの調子が悪い。
歩くだけで胃に痛みが響くようになってきた。
悪寒もするようになったので、事前集合教育は一時中止し、九州へ帰ることとなった。
新幹線で命からがら九州まで帰ってきた状態だった。
近くの自衛隊病院でエコーを撮ってもらうと、胆のうに炎症が見られるとの診断だった。
ウイルスが原因の可能性もあるのでとりあえず薬を飲んで様子を見ることとなった。
もし、それでも状況が良くならなければ手術で胆のうを摘出することもあると言う。
その時は、手術なんてあり得ないと思っていた。
しかし、一週間後の夜、夕食を取ったあと、突然、転がり回るほどの痛みに襲われた。
夜に救急で自衛隊病院に駆け込んだ。
検査中も意識朦朧とするような有様だった。
兎にも角にも早く手術してくれ!という感じだった。
翌朝、緊急手術が行われた。
通常は、内視鏡手術により胆のうを摘出するのだが、胆のうがひどく腫れているため、急遽開腹手術に切り替えられた。
手術後、肋骨の下付近に25センチくらいの手術後が残った。
カタール行きは断念しなければならなかった。
腰痛に続き、また、私自身の身体的な事が原因で活躍の機会を失ったのだった。