戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第226 -失意の異動-

通常であれば2年で異動だが、パイロットの割愛候補者になっていたので航空教育集団司令部での勤務も3年目となっていた。

しかも、1佐職の課長であっため空幕から割愛には出さないと言われてしまった。

上司の部長からは、現在、幹部学校で部内誌編集長の適任者を探している。

お前は向いているので、そこに行かないか?と説得された。

確かに私は、その部内誌に記事を投稿したりしていたが、今度は自分が編集する側になるとは。

パイロットなのにどうして、これほど飛行機とは縁のないポストばかりに行かされるのか残念でならなかった。

もしかしたらパイロットとして素質がなかったから、必然的にパイロット以外のポストばかりに行かされているのか?と思った。

職場に過去のパイロットになるために受験した適性検査のスコアーが全てのパイロット分、保存されている。

自分が防衛大4年の時に実機を操縦して行った適性検査の成績も保存されておる。

思い切って見てみるとことにした。

それを見ると、私の成績は想像よりかなり上位だった。

どうやらパイロットの素質はあったらしい。

ではどうして今はこんなふうになってしまったのか?

今思えば、それは本人の適性だと思う。

知らず知らずのうちに自分の得意な方へ得意な方へと進んでいるのだと思う。

兎にも角にも、私は3年の単身赴任生活を終えて、失意のうちに幹部学校勤務となった。