戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語⑤ -いよいよ受験-

高校三年の夏、2者面談時に母が担任に息子が防衛大を受験すると伝えると、担任は、「本当に行くの?」と怪訝そうな顔で言ったそうだ。

担任は、私が1年の時に退部した野球部の監督だった。

私のような、おっとりした性格の者が自衛隊のリーダーを育成する防衛大を目指すことに理解できなかったのだろう。

兎にも角にも、早速「赤本」を購入して防衛大受験に向けての準備が始まった。

実は、防衛大の他に、自衛隊幹部三本柱ともいうべき、防衛医大と航空学生も併せて受験することになった。

防衛医大は合格者の偏差値は70程度であり、自分の実力からすると完全に場違いだったが、試験慣れのつもりで受けることにした。

しかし、実際受験すると試験の難易度はものすごく高かった。

数学の試験では最初の1問目から手も足も出ない状態で、生まれて初めて試験を白紙で提出した。

防衛医大恐るべし。