戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第239 -保育園-

友人で同年齢のK大アメフトOBのHさんに働き口について相談した。

Hさんの人脈はとにかく広かった。

その結果、T大アメフトOBで現在保育園の運営会社を経営するI氏に話をしてくれることになった。

I氏と私は数年前に開催された関東アメフトOBによる懇親会でたまたま隣の席となり、名刺を交換した関係だった。

新興の保育園株式会社だったが、日本で5本の指に入る規模に成長していた。

Hさんと一緒にI氏の運営会社の本社に赴き、早速、面接となった。

I氏は私の事情を理解してくれて前向きに検討すると約束してくれた。

その時、I氏から「ウチの新入社員にはまず初めに1カ月間の保育園研修があるが大丈夫か?」と尋ねられた。

なりふり構ってはいられない。

私は、「大丈夫です」と、即答した。

こうして一週間後に内定をもらい、ようやく私は無職の日雇いアルバイト生活に終止符を打つことが出来た。

故郷の親には自衛隊を辞めて最初に入った会社をすぐに辞めたとは連絡していなかった。

新しい保育園会社に入社したことは、入社後しばらくしてからようやく母親に伝えた。

私は入社式の後、翌日から自宅近くにある保育園に自分のジャージと会社から支給されたチェックのエプロンを携えて毎朝出勤することになった。

48歳のおじさん保育士の誕生である。