戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第40 -楽勝、機械工学科専攻-

2年生になると陸海空要員のほかに専攻学科も分かれる。

この時、参考にしたのが部屋長の姿だった。

1学期は、陸上要員で応援団リーダー部副団頭、2学期は海上要員で少林寺拳法部の主将と、なかなか硬派な4年生が部屋長だった。

しかし、3学期は航空要員の4年生、Mさんが部屋長だった。

いつも自習時間であっても自分の勉強机に両足を投げ出して、週刊漫画を読んでいる怠惰な姿をよく目にした。

その部屋長の専攻は機械工学科だった。

機械工学科専攻は、教務班の8班になる。

航空の8班は、訓練も楽勝、勉強も楽勝だったため、通称「から(空)っぱち(八)」といって、皆から見下されていた。

しかし、私は、勉学には全く興味がなく、進級さえできればよいと思っていた。

大変な学科に振り分けられてしまうと落第する恐れがある。

学年による上下関係が厳しい防大において落第は死活問題である。

このため少しでも楽な学科を専攻する必要がった。

部屋長の姿を見て、これだと思った。

私は迷わず、機械工学専攻に希望を提出した。

航空要員、機械工学専攻、第二外国語も楽なドイツ語と、すべて希望通りとなった。

これで思い存分アメフト部での活動に集中できる!