戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第67 -奈良幹部候補生学校-

4月から6カ月間、奈良にある航空自衛隊 幹部候補生学校に入校する。

と言っても、同期は知った顔ばかりで、違いと言えば皆、航空自衛隊の制服を身に纏っているくらいだ。

また、防大卒以外には、一般大卒や少し年齢層が高い部内選考の幹部候補生たちなどが一緒だった。

入校式は古びた講堂で行われた。

防大の卒業式は総理大臣を筆頭に内外の偉い方々が参列していたが、今回は最高位は航空幕僚長だった。

正直、「なんだ空幕長かよ」と思った。

もう卒業式がニュースで報道され、世間から注目される存在ではないことをここで初めて知った。

一般大卒課程の宣誓代表は女性だった。

元々きれいな顔立ちに化粧をした彼女はたちまち我々防大卒たちの注目の的となった。

もちろん自衛官としての挙動は全く素人だったが、その自衛官とは異質な妖艶な姿とのギャップに私は興味?好意?を覚えた。

たちまち彼女は男性隊員たちから好奇の目を向けられ、ゴシップの対象となった。

東京の有名私立大学を卒業して、離婚歴があるとの情報が駆け巡った。

アニメ、タイムボカンボヤッキーに似た防大卒の同期と付き合っていると噂が立った。

隊舎の屋上で彼とベロチュウをしていたと噂になった。

その本当のところは分からないが、皆、何であんな不男と....と思っていた。

結局、彼女は卒業を待たずに奈良を去った。