戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第117 -卒業、いよいよ部隊へ!-

戦闘機操縦課程の卒業前に機種と赴任地の発表が行われた。

高校生の頃から戦闘機パイロットになるのを夢見て、早8年の月日が経過していた。

いよいよ戦闘機パイロットになる時が来たのだ。

機種は、最新のF-15、F-4およびF-1の3機種である。

希望機種は最新のF-15戦闘機であった。

F-1は国産超音速戦闘機で、性能もやや劣るため操縦が難しく、成績の悪い人間は配置しないらしい、反対に、F-4は2人乗りであるため、素質が劣る者でも生き残る可能性が高いから成績が悪い者はF-4になる可能性が高いという噂があった。

私は、F-4となった。

第一希望のF-15でなく少し残念だったが、F-1でなくて良かったと思った。

任地は、石川県小松基地となった。

民間会社に例えると、長い研修を終え、石川県小松営業所に配属されたようなものだった。

兎にも角にも、防大入学からずっと大勢の同期生に囲まれて幹部候補生学校やフライトコースなどのキャリアを一緒に歩んできたが、遂に私一人で小松基地に赴任することになった。

少し不安を感じつつも、新たな任地での活躍に心が躍った。

浜松基地で同部屋のY2尉は那覇基地のF-4となった。

一緒に商社マンになるのを夢見て、彼女の妊娠発覚によって結婚したK2尉の運転する車に同乗して松島基地を後にした。

K2尉も同じF-4となり、宮崎基地の新田原基地配属となった。

私たちは希望を胸に、それぞれ初夏を迎えた東北を後にした。