戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第116 -パイロットの参観日-

普段のパイロット教育の様子を親などに見てもらうため、いわゆる「参観日」が行われた。

私の両親は遠くから自衛隊の輸送機を乗り継いで航空自衛隊松島基地までやってきた。

実際に、フライト前に行われる訓練生と教官のブリーフィングを見学し、フライト訓練中は、指揮所から離着陸の様子を見学する。

両親にとっては、おどろおどろしい爆音を鳴らして離着陸するT-2高等練習機を息子が操縦しているのをどのように見ていたのだろか?

きっと誇らしげに見ていたに違いない。

私自身、特に気負うこともなく、普段通り淡々と飛行訓練を実施することができた。

翌日は休日であったため、両親を連れて仙台市街を案内することとした。

私にとっては、もう一つ大きなミッションがあった。

それは、以前から付き合いを続けていた千葉出身のMちゃんを両親に紹介することであった。

Mちゃんと出会ってからおよそ2年が経過していた。

月に2回ほど、私が飛行機や新幹線に乗って千葉に会いに行っていた。

最初から遠距離だったが、彼女はそれに対して一切不満を言わなかった。

それが長く続いた理由だった。

この日のために、Mちゃんを仙台市に呼び寄せていた。

こうして付き合っている女性を両親に紹介するのは初めてであった。

何はともあれ、両親もMちゃんも、楽しい時間を過ごすことができたと思う。