戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第111 -戦闘機操縦課程の履修を命ずる-

浜松基地の基本操縦課程を卒業して航空自衛隊パイロットに認定されたといえども、目指す戦闘機パイロットになるまでには、まだまだ道のりは続く。

粉雪が舞う宮城県松島基地に到着した私たちは、ここで戦闘機操縦課程を履修する。

これまでは着陸や航法などパイロットとして必要な基本的な技能の習得が目的だったが、これからは戦技、つまり航空機による戦い方の基礎を学ぶ。

搭乗するT-2練習機は、レーダーを搭載し、機銃やミサイルも発射できる。

また超音速飛行もこの課程で体験する。

コースは、これまでのコースBのメンバーに加え、米留コースから帰国した防大の一年先輩や上のコースからコースダウンしてきた航空学生などバラエティに富むメンバーだった。

浜松基地で同部屋だったY君も同じコースとなった。

米留コースから帰国したKさんは、結婚しているので基地の近傍にある官舎から通いながら課程を履修する。私有車も持つことが許された。

幹部候補生学校で一緒に商社マンを夢見たが彼女の妊娠が発覚したため結婚したK君も、飛行隊は違うが同時期に課程を履修することになった。

私の同部屋の相棒はK2尉となった。

K2尉は、クールな感じで、話が合うか少し心配だった。

兎にも角にも、この課程を終えるときに配属される戦闘機部隊と機種が決まる。

頑張りどころである。