戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第178 -人生のターニングポイント-

もし過去に戻れるならこの日に戻りたい。

そして自分に言い聞かせる。

「今日のボクシング練習は休め」と。

ボクシングのトレーニングで学生たちとダッシュなどをしているとき、腰に鈍痛を感じた。

直ぐにダッシュなど激しいトレーニングは中止したが、腰の状況は思ったより悪かった。

腰の筋肉が鈍っているからだろうと、その後も腹筋運動など筋トレを継続した。

翌日、腰がガチガチに痛くなっていて、腰を前に曲げるのがつらかった。

今までこんなことになったことはない。

日に日に痛みは和らいできて、授業の教壇に立てなくはなかったが、しこりのような小さな痛みはずっと残っていた。

軍の病院やカイロプラティックなどに行ったが完全には良くはならなかった。

そして帰国まであと1か月たったとき、更に状況は悪くなった。

治し方を間違えたのだ。

腰の筋肉を鍛えるために背筋運動を少しだけ行った。

そのとたん、「やばい」と感じる程、腰の状態が悪くなった。

止めておけばよかった。

歩くのもつらくなった。

腰が痛いと、もう何もする気がしない。

痛み止めなど腰痛の薬を飲んだが、翌日も全く悪いままだった。

大変なことになったとすぐに感じた。

不安な気持ちが襲ってきた。

大変だ。

大変だ。