戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第177 -米空軍大学への出張-

軍事戦略学教官として知識を向上させるため、米空軍大学で行われている2週間の統合航空作戦課程への入校を米空軍から命ぜられた。

一人でアラバマ州にある空軍基地まで飛行機を乗り継いで赴いた。

幸いにも、知り合いの大先輩の空自パイロットが空軍大学に1年間留学中だったので空港まで車で迎えにきていただいた。

その先輩パイロットというのが、私がパイロット学生の時の副担任で、奥様が元JALのCAだった方だった。

学生の時、みんなでその先輩の官舎にお呼ばれしていった時に、その奥様から「CAが空自パイロット結婚することは必ずしも幸せではない」というようなショッキングなお話を聞かせていただいた記憶があった。

今回も先輩夫婦が住んでいるアパートメントにお呼ばれしたが、相変わらず先輩は奥様の尻に敷かれている様子だった。

課程の目的は、作戦地域で臨時に設置される作戦司令部の幕僚として必要となる知識および能力を向上させるためのものだった。

前半の一週間は知識事項の講義がメインで、後半の一週間は、架空のシナリオに基づいて皆で作戦計画を立案するという実践的なものだった。

最後には筆記試験もあり、これを何とかクリアーすると課程履修証明書をいただいた。

とても充実した2週間の課程だった。

ちなみに、ずっと標高の高いコロラドで生活していたため、標高の低いアラバマに来てジムで汗を流すと、とにか体が楽でどこまででも走れるような気がした。