戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第200 -ディープな沖縄-

幹部候補生学校を卒業した後、約2カ月間、那覇基地で隊付教育を受けたが、その当時の基地周辺はお世辞にも発展しているとは言えなかった。

古い家が立ち並ぶ中を、歩いて近くのスーパーまでよく弁当を買いに行ったものだ。

しかし、それから20年の年月が経過し、空港から市街地までモノレールが整備され、基地周辺も高級住宅街に生まれ変わっていた。

観光客としでなく、実際に沖縄に居住すると沖縄独特の様々な文化に触れることが出来る。

夏の高校野球の地方大会をスタジアムで観戦した時だった。

沖縄ではクーラーボックスを担いでスタジアムに入場する大人が目立つ。

中身は缶ビールや缶焼酎がどっさりと入っている。

お酒を飲みながら高校野球を観戦するのである。

私もそれに習って近くのコンビニで缶酎ハイを何本も買い込んで観戦してみた。

強烈な紫外線が降り注ぐスタンドの座席は熱したフライパンのように熱かった。

照りつける太陽と蒸し暑い空気の中、学生のブラスバンドと踊りがちょうど心地良かった

1回の表から飲み始めて、3回の裏には、私は完全に「出来上がって」しまっていた。

どちらの高校が勝ったのかどうでも良かった。

島ぞうりを引きずりながらほろ酔い気分で家路についた。