戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語⑰ -応援団かアメフト部か-

防大生は皆、何かしらの運動部に入らなくてはならない。

いつもは怖い4年生が、毎晩一年生の部屋を訪れては自分の部活に入れと勧誘してくるのである。

アメフト部の4年生が勧誘のためによく私たちの部屋に来た。

「うちは若い女の先生が来てくれて、一年生に特別エアロビ教室を開いてくれるから」

毎日、抑圧された生活を強いられている一年生にとって、女性をちらつかせられるとイチコロである。

また「一年生は部費タダだから」など甘い言葉ばかりだった。

部屋長のkさんは、自身が応援団リーダー部だけあって私たち部屋っ子にも厳しかった。

防大の中でも特に厳しいとされる、空手、少林寺拳法、応援団、アメフト、ラグビー、カッター競技部以外の入部は認めない、というのだ。

全く無茶苦茶である。

結局、同部屋のI学生と私はアメフト部へ、E学生はワンゲル部へ入部届を提出した。

確かにエアロビ教室は開催され、女性のレオタード姿を満喫したが、それもすぐに終わってしまった。

あとは、怪我多い、休日も練習、防具を買うための10万円ローンだけが残った。

頑張れ!