きっかけは、基地のラグビー部に参加したことだった。
チームメイトの中に金沢市でアメフトのクラブチームに入っている者がいた。
私が防大のアメフト部だったことを知ると、一緒にアメフトをやらないかと誘われた。
大学アメフトを辞めてから4年たっていた。
正直、もうアメフトをやるつもりはなかった。
しかし、チームに女子マネやチアリーダーがいると聞いてすぐに飛びついた。
防大時代は男だけで、女子マネやチアリーダーに強烈な羨ましさを抱いていた。
毎週、日曜日に金沢工業大学のグラウンドで練習した。
防大に入学して以来、自衛隊以外の一般の人たちと付き合うのは初めてだった。
とれも新鮮な気がした。
秋には、富山、福井のチームと試合も行った。
防大時代はほとんど怪我はしなかったが、この時はよく怪我をした。
あばらや指の骨が折れた。肩も上がらなくなった。
しかし受診はせず、テーピングでしのいだ。
余暇活動で怪我をして飛行機に乗れなくなると、上司に怒られると思ったからだ。
人間の体はよくできていて、半年もすると肩も上がるようになった。
その分、小松市に住むチアリーダーの女の子を車に乗せて「同伴出勤」ならぬ、一緒に練習によく行った。
怪我は多かったが、その分いい思いをしたというところだろうか。