戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第131 -再びアメフトをする-

きっかけは、基地のラグビー部に参加したことだった。

チームメイトの中に金沢市でアメフトのクラブチームに入っている者がいた。

私が防大のアメフト部だったことを知ると、一緒にアメフトをやらないかと誘われた。

大学アメフトを辞めてから4年たっていた。

正直、もうアメフトをやるつもりはなかった。

しかし、チームに女子マネやチアリーダーがいると聞いてすぐに飛びついた。

防大時代は男だけで、女子マネやチアリーダーに強烈な羨ましさを抱いていた。

毎週、日曜日に金沢工業大学のグラウンドで練習した。

防大に入学して以来、自衛隊以外の一般の人たちと付き合うのは初めてだった。

とれも新鮮な気がした。

秋には、富山、福井のチームと試合も行った。

防大時代はほとんど怪我はしなかったが、この時はよく怪我をした。

あばらや指の骨が折れた。肩も上がらなくなった。

しかし受診はせず、テーピングでしのいだ。

余暇活動で怪我をして飛行機に乗れなくなると、上司に怒られると思ったからだ。

人間の体はよくできていて、半年もすると肩も上がるようになった。

その分、小松市に住むチアリーダーの女の子を車に乗せて「同伴出勤」ならぬ、一緒に練習によく行った。

怪我は多かったが、その分いい思いをしたというところだろうか。