女子大生と付き合っている防大生は少ない。
横須賀、追浜、久里浜と、周辺に3つの看護学校があり、その3つの看護学校の女学生と付き合う防大生が多かった。
言い方は悪いが、防大生とお付き合いしてくれるのは「ヨコ看、ハマ看、クリ看」しかいなかった。
アメフト部新入生歓迎ダンパで先輩に「インターセプト」されてしまった私を不憫に思ったアメフト部同期のM学生が私にヨコ看の女学生を紹介してくれることになった。
ちなみに、インターセプトされて先輩と付き合うことになったコも、M学生が付き合っているコも、みんなヨコ看だった。
私に紹介してくれたコは、鹿児島の鹿屋出身だった。実家がプラモデル屋だという彼女は、長身だが少しあか抜けない感じだった。
週末にデートをして、彼女の門限までに横須賀中央から看護学校の寮までの道のりをよく歩いて見送った。
M学生のカップルとダブルデートでディズニーランドに行ったこともあった。
でも何か満たされない気持ちだった。
一言でいうと容姿が自分好みではなかったからだが、自分がまだ異性と付き合うほど大人の男性として成熟していなかったのかもしれない。
そのコと手も繋ぐことなく疎遠となり、結局自然消滅させてしまった。
特攻隊で有名な鹿屋のプラモデル屋のコと防大生。
今思うと絶妙な組み合わせだった。