戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第56 -将来ある身の防大生-

防大生として最後の夏休みを迎えた。

アメフト部の同期生4人で北海道旅行を計画した。

M学生の実家が千歳空港の近くだったので、まずそこで 実家の車を借りた。

夏の北海道のドライブは最高だった。

本日の宿泊地は私の実家だった。

しかし、楽しい旅行はあっという間に終わりの時を迎えた。

運転していたM学生がよそ見をしていたため、停車していた前の車にオカマを掘ってしまったのである。

相手は千葉大生のカップルだった。

こともあろうかM学生はそのカップルに悪態をついて、険悪な状況になってしまった。

今日宿泊する場所も決めていないというので私はそのカップルに私の実家に泊まることを提案した。

そういうわけで、その日私の家には事故の被害者と加害者が一緒に宿泊することになった。

私の両親は、どちらも分け隔てなくもてなしてくれた。

皆でジンギスカン鍋をつついた。

M学生は少し不貞腐れていたが、私たちはそのカップルとも意気投合して楽しいひと時を過ごした。

私の母はカップルに「防大生の息子たちは将来ある身なので...」と示談を申し入れてくれた。

親バカと言えばそうかもしれない。

しかし交通事故を起こしたとなれば、自衛隊員てある防大生は処分される可能性があった。

翌日カップルは旅立っていった。

私の両親のファインプレーに感謝。