戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第47 -2学年は奴隷-

防大でのヒエラルキーを表す言葉で「1年家畜、2年奴隷、3年人間、4年神様」というのがある。

だから2年になってが安心はできない。

頻度は減ったものの相変わらず上級生にシバかれる事もあったためビクビクしながら生活していた。

ところで入学した新入生の面倒見る対番制度というものがあるが、一年に一回、4年から1年までの対番が集い対番会というものが開かれる。

私が入学した時は、4年から1年まで全員が同郷という珍しい対番系列だった。

しかし、残念なことに私が2年になって新入生の対番を選ぶときに同郷の者はいなかった。

このため私は、面白そうだという理由だけで関西出身の1年生を対番として取った。

ずぼらな私が指導するため、そのは大変苦労したと思う。

今思うと申し訳ない。

対番会は最初は横須賀の居酒屋で行われ、2次会はスナックに場所を移して行われる。

1年生は一切、お金を払う必要が無い。

自分が上級生になった時に相応の負担をすればよいのだ。

とかく軍隊の階級社会を悪く言う風潮にあるが、上位者は、威張る代わりに全責任を受け止める男気を見せなければならない。

1月に横須賀市で成人式が開催されたが、私は興味がなかったため、アメフト部の同期生4人で越後湯沢にスキー旅行に出かけた。

4人で旅館のコタツに入っているとあることに気が付いた。

私以外の3人は皆、浪人して防大に入学しているので、成人式は昨年終わっていたのだ。

ちょっぴり寂しく感じた20歳の冬だった。