千葉のMちゃんの自宅にはよく泊まっていた。
Mちゃんのお母さんがいつ結婚するのか?と気にしているという。
私の中では、三沢基地に移動した夏に結婚するつもりだった。
いつものようにMちゃんが運転する軽自動車でMちゃんの自宅に向かった。
今日こそは結婚について切り出さなければならない状況だった。
車の中でだんだん緊張してきた。
私から出る汗や息によって車の窓ガラスが全て曇ってしまった。
彼女の両親と夕食をとり、テレビを見ながら落ち着いていると、突然彼女のお母さんが「あんたたちいつ結婚するの?」と切り出した。
今年の7月頃結婚したいと考えている、と私は咄嗟に答えた。
彼女にはまだプロポーズしていないのに。
翌日、正式に彼女にプロポーズした。
場所は銀座和光の交差点のど真ん中で。
何か思い出になる場所でプロポーズしたかった。
彼女は「はい」とだけ答えた。
思えば知り合ってから5年間、最初からいままでずっと遠距離だった。
遠距離が無理ならすぐに別れようと思ったが、彼女は一切不満は言わなかった。
お互い程よい距離感だったのか?
兎にも角にも、私はついに独身貴族に別れを告げる時が来たのだ。