戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第125 -憧れの外車を買う-

小松基地で勤務することになったが車が無いとどこへも行けなかった。

そこで遂に車を購入することとした。

防大3年時に、ボルボのワゴン車が流行り始めた。

将来、ボルボのワゴン車を購入したいと思い、そのころからコツコツと貯金を始めた。

防大時代は30万円くらいしか貯まらなかったが、パイロット学生の間に一気に貯金が増えた。

毎月、フライト手当を貰える一方、勉強漬けでお金を使う暇がなかったからだ。

銀行から降ろした現金500万円を持って車の販売店に赴いた。

ボルボを購入するために長い間、貯金してきたので全くためらいが無かった。

ずっとペーパードライバーだったので販売店から運転して帰る時、ブレーキがどこなのか少し戸惑ったような状態だった。

遂に私は、ボルボステーションワゴンのオーナーとなった。

当時、飛行隊の若手パイロットは高級外車を持つことが流行りだった。

ある独身パイロットは、休日の朝起きて、何もすることが無いので「車でも買ってこようかな」とコンビニでも行くような感覚で現金を握って高級車を買いに行ったという。

オンボロの独身寮の裏の駐車場には、ポルシェ、ベンツやBMWなどたくさんの外車が並んでいた。