航空学生出身で私とほぼ同年代のM2尉と仲良くなった。
M君から基地の独身寮を出て一人暮らしをするため、不動産屋に車で連れて行って欲しいと頼まれた。
こうして私はM君を不動産屋に送って行くことになった。
早速M君は契約して新築のアパートに住むことになったのだが、突然、私も一人暮らしをしたくなったのだ。
結局、私とM君は同じアパートに別々の部屋を借りて住むことになった。
ちなみにそのアパートのオーナーは、あのアパホテルの女性社長の実弟だった。
これ以降、週末となればM君と2人で繁華街に飲みに行くことが多くなった。
また、寂しければ、お互いの部屋を訪れ、夜遅くまで酒を酌み交わした。
後に、M君が青色の外車を購入すると、アパートの前には、赤と青の2人の外車が駐車していることから、同僚からは「小松の赤鬼、青鬼」と冷やかされるようになったのだ。
次々と若い女性が鬼の住むこのアパートに吸い込まれて行く、という理由からである。
専らM君の部屋によく女性が出入りしていたのが本当のところだが、こうして私たちは一人暮らしを始め、独身貴族を謳歌したのだった。