戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第139 -航空祭の美女-

毎年秋に小松基地航空祭が行われる。

以前から付き合いを続けていた千葉のMちやんを小松基地航空祭に誘った。

出会って最初から遠距離で、付き合い始めて、もう4年もたつ。

もちろん私のアパートに宿泊する。

航空祭当日、私は朝5時過ぎに出勤だから、彼女の基地までの送迎を近くに住む同僚パイロットの若奥さんにお願いした。
飛行隊は家族も含めてファミリーみたいなものだった、それを嫌がらずMちゃんも上手く対応したようだ。

航空祭が始まると飛行隊の奥さんなど家族は飛行隊建物の中で休憩することができた。

飛行隊の中は、家族らでいっぱいである。

Mちゃんは、東京の某有名食品会社の社長秘書をしていた。

自分でいうのも恥ずかしいが、このときMちゃんは都会的なセンスの装いで、他の誰よりも垢ぬけていて綺麗だった。

私は鼻が高かった。

Mちゃんの目の前で自分が行う編隊飛行の事前ブリーフィングが行が始まる。

ブリーフィングが終わると、Mちゃんに「ちょっと行ってくる。見てて」とクールに語りかけ、ヘルメットと装具を付けて、大勢の観客がごった返す中を航空機まで歩いていく。

カッコイイ~俺、と思ってしまった。

この時が独身パイロットとしての絶頂期だったかもしれない。

これまで頑張ったかいがあったというものだ。