戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第147 -ゴルフに夢中で怒られる-

小松基地時代からゴルフをはじめ、三沢基地でも米軍コースでプレーしたり、毎週末には打ちっぱなし場に通い、根を詰めて練習をしていた。

根っからの闘争心旺盛な性格だったことから、コンペの前の夜はワクワクして寝付けない程だった。

しかし、スコアなかなか上達せず、100を切ることは無かった。

こんなに一生懸命、練習しているのに上達しないのは、ゴルフが自分に向いていないのだろうかと思うときもあった。

ゴルフでも私はやらかしてしまったことがある。

ある平日の午後、全ての自分のフライトが終了したので、私は体力練成のため基地内で駆け足運動をすることにした。

ジョギングコースの折り返し地点にちょうど米軍のゴルフ打ちっぱなし場があることから、その時、私はアイアンを一本担いでジョギングに出発したのである。

そして、打ちっぱなし場に到着したら、25セントを入れてゴルフの練習を始めてしまった。

飛行隊に帰ってくる途中、アイアンを担いで走っているところを見つかってしまった。

飛行班長に「勤務時間中に体育訓練と称して打ちっぱなしに行っている幹部の姿を若い隊員が見たらどう思う?」と問い詰めれられ叱責を受けてしまった。

これが飛行隊のゴるキチ伝説の一つとして語り継がれる「打ちっぱなし場駆け足事件」だった。