約4カ月の学期が終わる時、これまでの中間および期末テストの成績や普段の授業態度などを総合的に勘案して一人ひとりの成績を決めなくてはならない。
C-以下の成績を付けると、別途その理由などを報告しなければならないので、私は一度もC-以下をつけたことがない。
そういう成績の甘い先生のことを米国では侮蔑の意味を込めて「サンタクロース 」と呼ぶ。
学生にとって嬉しいプレゼントを沢山あげるからだ。
一方、日本と違うのは、学生たちも自分の担任の教官の教え方について5段階評価でアンケートを記入して提出する。
そして教官たちにはその結果が教官の平均点とともに通知される。
例えば「あなたの教官は、一つの事柄を二つ以上の例を使って説明していましたか?」というような設問である。
私の場合、どの項目を教官全体の平均点以下だった。
自分の話す英語もままならないので、平均点以下という結果に対して、「そりゃそうだ」と、特に気にはならなかった。
しかし最後の設問に「あなたの教官は熱意を持って教えていますか?」に対しては、私の学生からの評価は平均点以上だった。
この結果を見て、私はとても嬉しかった。
毎回授業が始まる前には、「何で米国人の前で下手な英語を話さなければならないんだろう?」と少しナーバスになり、授業が終わると、嫌な脇汗をいっぱいかいていた。
しかし、それもこれも全てが報われたような気がした。