戦闘機パイロットの夢を追いかける青春物語

戦闘機パイロットになる夢を追いかける青春物語

防衛大学校物語 第211 -いざ、浜松へ!-

約1年半の在日米空軍司令部での勤務を終え、浜松基地にある航空教育集団司令部の教育第2課長へ異動となった。

航空自衛隊に入隊依頼、若い時は戦闘機パイロットとして毎日空を駆け巡っていたが、指揮幕僚課程卒業後は、航空機やパイロットとは無縁のポジションでの勤務が続いていた。

はじめて飛行機関連のポジションに就いた。

航空自衛隊パイロット養成教育を統括する司令部の要職だった。

子供が中学生に上がるので、浜松へは単身赴任となった。

引っ越しの時は妻が浜松まで手伝いに来てくれた。

引っ越しで、布団一式を忘れてしまい、到着した日にすぐにホームセンターに布団一式を買いに行くハプニングがあった。

浜松での単身赴任は3年に及ぶが、いいのか悪いのか、とにかく妻が浜松を訪れたのはこれが最初で最後だった。

老朽化した汚い官舎で、私の単身生活が始まった。

関東での長い電車通勤から解放され、毎日15分くらいの自動車による通勤は快適だった。

職場に到着し、課長の座席に着くと、部下がコーヒーを出してくれる。

出張時の旅程の計画は勿論のこと、仕事の相手先にメールを打つことさえも部下がやってくれた。

自分は、それに間違いがないか確認するだけである。

据え膳、上げ膳の世界だった。

部下は幹部4名、下士官等が4名の合計8名だった。

しかし、もっと厄介な「部下たち」がいて、彼らのお世話をしなければならなかったのだ。